Posts Tagged 伊坂幸太郎

【映画】ゴールデンスランバー

Posted by kharuna on 木曜日, 11 2月, 2010

堺雅人さん主演の「ゴールデンスランバー」という映画を見てきました。

ゴールデンスランバー : 映画情報 – 映画のことならeiga.com

山本周五郎賞を受賞した伊坂幸太郎の逃亡劇を、「アヒルと鴨のコインロッカー」「フィッシュストーリー」でも伊坂作品の監督を務めた中村義洋が映画化。主演に堺雅人、共演に竹内結子、吉岡秀隆、香川照之、大森南朋、柄本明ほか。野党初となる首相の凱旋パレードが行われている仙台で、ラジコンヘリ爆弾を使った首相暗殺事件が起きる。

この映画、超おすすめです。伊坂幸太郎と中村義洋監督というのは絶妙のコンビで、「アヒルと鴨のコインロッカー」では、その完成度の高さに驚きました。「ゴールデンスランバー」の原作は読んでないのですが、逃げ続ける主人公についての描写がとてもよくできていました。2回ほど泣くポイントがあります。悲しくて泣くのではなくて、温かくて泣きます。

伊坂幸太郎の「だんだんとその登場人物のことがわかってきて、終盤にほろっとさせる」手法は、この映画でも健在だと思いました。「チルドレン」なんかもそうでしたけど、ストーリーは淡々と進んでいくのに、妙に心に訴えるものがあるんですよね。この「ゴールデンスランバー」もそうでした。

導入部分からぐいぐい引きつけられます。どうぞ劇場で。


【映画】重力ピエロ

Posted by kharuna on 日曜日, 24 5月, 2009

伊坂幸太郎原作、森淳一監督の「重力ピエロ」を見てきました。僕は主演の加瀬亮が好きなので、それもあって見に行こうと思ったのでした。原作は読んでないですが、読んでいる友達から「めっちゃ面白いよ!」と言われていました。ぼくはどちらかというと、そういうことを言われると斜に構えるタイプなので、今回もそういう姿勢で見始めました。
個人的ランク:A(最高「A+」〜最低「C−」の9段階)
てなわけで、すごく面白かったです。やっぱり加瀬亮は良いですね。この原作は読んでませんが、なんとなく伊坂幸太郎的な世界観もそのままなような気がします。

なかなか重いストーリー

この作品、芯になる部分はけっこうな「重さ」を感じるものとなっています。人間の生い立ちって、ある意味本人にはどうしようもないというか、直しようがない部分だと思います。この「重力ピエロ」は、そういうところをこれでもかこれでもかと、傷の上にさらにナイフを突き立てるような、見ていて本当に切なくなってくるストーリーになっています。で、僕の「伊坂幸太郎像」というのは、そういう重いストーリーでもわりと淡々と、それでいて印象深く描いてくる作家さんというイメージです。この映画では、そのイメージがうまく受け継がれていたような気がします。淡々と重いストーリーを描いていました。

遺伝子コドンが登場

僕が伊坂幸太郎すごいなと思ったのは、作品中に「遺伝子コドン」を使っている点です。伊坂幸太郎は、確か法学部出身なので遺伝子コドンというのはそれほどなじみがないかと思うのですが、この映画では、見事に遺伝子コドンを事件に絡ませていました。大学で遺伝子コドンをいやと言うほど習った僕としては、すごくわかりやすい部分でもありました。特に「終止コドン」が出てきたときなどは、「おぉ!」と思いました。

何がそんなによかったか

ストーリーやキャスティングがすばらしいと言うのもあるんですが、劇中に「人生を示唆するような名言」がしばしば出てくるんです。僕はそれがよかったなぁと思いますね。ガンジーさんの言葉が多いのですが、ラストに近い場面で、サーカスを見ながらいう言葉なんかジーンときましたね。原作もそういうところはあるんでしょうか。いずれ読んでみたいと思います。あ、あと「ROBOT」制作です。わかるひとにわかる、クリエイティブなグループですよね。


【book】グラスホッパー

Posted by kharuna on 月曜日, 16 3月, 2009

伊坂幸太郎著、「グラスホッパー」を読みました。

グラスホッパー (角川文庫)
伊坂 幸太郎
角川書店
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個人的ランク:B+(最高「A+」~最低「C-」の9段階)

やはり伊坂幸太郎

伊坂幸太郎の本はこれまで何冊か読みましたが、この人の作品はだいたいどれも終盤につれて盛り上がるように書かれてありますね。「グラスホッパー」もその部類に入る作品で、終盤になるにつれ、ストーリーのスピード感は増し、ページを一気に読み進めました。

ラッシュライフのような描き方

ストーリー自体は、「ラッシュライフ」のような、複数人の登場人物の視点が代わる代わる描かれるものになっています。この手法、読み始めの時は全く話がつながらないのでわかりづらいと感じます。しかし、徐々にそれぞれの話がつながることによって、とても面白くなっていきます。

今回は、「鈴木」、「蝉」、「鯨」という三人の視点が描かれています。「鈴木」は、妻を殺された穏やかな「復讐者」として、「蝉」は自由になりたい「殺し屋」として、「鯨」は幻覚から解放されたい「殺し屋」として登場します。

「復讐者」やら「殺し屋」やら、どうも荒々しい雰囲気が漂っていますが、そこは伊坂幸太郎、重くならないように、それでいて軽薄にもならないように、絶妙なタッチでストーリーが進みます。こういうところ、伊坂幸太郎のすごいところだと思います。

総評

ストーリーとしては、「押し屋」が誰か?ということが中心になって進むわけですが、その押し屋の描き方だったり、「鈴木」の悩み具合だったり、読むべきポイントはたくさんあります。ただ、個人的には、同じ伊坂作品で行くと「チルドレン」なんかの心温まるものが好きかなという気持ちはあります。

そうは言いつつも、やはり伊坂ワールド全開の文章であり、今までの作品が好きな人であれば十分に楽しめる本だと思います。