たまには、薬剤師関係のエントリーを書きます。僕の大学の先輩が本を出版したので、そのお知らせです。
内容に関しては、アマゾンから抜粋。
Amazon.co.jp: (日経DI薬剤師「心得」帳1) 川添式熱血患者指導術「Do処方、特変ナシ」から脱却せよ!: 川添 哲嗣, 日経ドラッグインフォメーション: 本
第一線で活躍中の薬局薬剤師に、『日経DI』がロングインタビュー。薬剤師という仕事を楽しむための「心得」を、読みやすい話し言葉で紹介。豊富なエピソードを、実体験に基づく熱い思いとともにお伝えします。明日からの業務が楽しくなる、目からのウロコの「金言」を満載。 「在宅」の専門家として知名度が高い著者だが、そうなったのは、病院薬剤師時代の経験を生かして医師や看護師などの他の医療職種と連携しながら「薬局は何をすべきか」を考えた結果だった。 なぜ在宅なのか、在宅で何ができるのか、薬剤師は今、医療の中で何をすべきか──。その思いの丈を、語る。
というわけで、薬剤師としてどのように患者さんと接するか、薬局としてこれからどうするか、ということが書かれているようです(僕も詳しくは聞いていない)。著者の川添さんとは一緒にアメリカ薬学研修旅行に行ったり、実際に高知の「くろしお薬局」にお邪魔させてもらって薬剤師としての研修を受けたり、非常にお世話になっている人です。
さらに著者紹介をアマゾンから引用。
Amazon.co.jp: (日経DI薬剤師「心得」帳1) 川添式熱血患者指導術「Do処方、特変ナシ」から脱却せよ!: 川添 哲嗣, 日経ドラッグインフォメーション: 本
川添哲嗣(かわぞえ てつし) →くろしお薬局副社長。高知県在住。日本薬剤師会の理事。先進的な薬局が取り組み始めている「在宅訪問指導」に早くから取り組んでいたこともあり、チーム医療に関するたくさんのノウハウやエピソードを持っている。現在、年に30回ほど、主に「在宅」をテーマに、全国で講演を行っている。
薬剤師はもちろん、薬学生も参考になると思うので、ぜひぜひ購入を考えてみてください。僕も何度か川添さんの講演を聞いたことがあるけど、とてもわかりやすく、そして何か得られるものがあります。
僕の好きなキャスター、池上彰さんの著書「わかりやすく〈伝える〉技術」を読みました。
この本は、中身を見ずに単純に「池上さんの本だから」という理由で買いました。この人のテレビでの解説や出している本、ことごとくわかりやすくてすっごいお世話になっているんですよね。特に海外のニュース解説については、抜群です。
で、この本なんですが、前半はほとんどNHKの仕事とはみたいな文章になっています。池上さんがどんな風にNHKで仕事していたか、アナウンス部と記者はどのように違うかなどです。この辺の文章は、僕はNHKの人間でもないし、「へー。」って感じで読み流しちゃいました。
面白いなと感じたのは、後半部分、しかも3分の2くらい読んだ辺りからです。読む言葉と話す言葉は、全然違うですとか、接続詞の使い方など、「なんとなく知っているんだけど、曖昧だなぁ。」と感じている部分を池上さんらしく、きちんと解説されていました。さらっと読めるビジネス新書でした。
「BOOK1」のレビューに引き続き、「BOOK2」も読み終わりましたので、感想を書きます。
僕はこの「1Q84」で何が良かったって、青豆さんという主人公の一人と宗教団体「さきがけ」のリーダーが会話するところなんですね。ここはもう集中力マックスでした(笑)。周りの音も聞こえないくらいに文章に引き込まれてましたよ。
村上春樹のいいところとして、勧善懲悪がはっきりしていないところがあります。インタビューでも、原理主義のようなはっきりしたことよりも、しっかり自分で考えることが大事じゃないかと受け取れる発言をされています。
【『1Q84』への30年】村上春樹氏インタビュー(上) : 出版トピック : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
原理主義の問題にもかかわる。世界中がカオス化する中で、シンプルな原理主義は確実に力を増している。こんな複雑な状況にあって、自分の頭で物を考えるのはエネルギーが要るから、たいていの人は出来合いの即席言語を借りて自分で考えた気になり、単純化されたぶん、どうしても原理主義に結びつきやすくなる。スナック菓子同様、すぐエネルギーになるが体に良いとはいえない。自力で精神性を高める作業が難しい時代だ。
青豆さんとリーダーが話し始める前は、実はそれなりにどちらが善でどちらが悪かというのは、読んでいれば伝わってきます。しかし、ここの会話を通して、その価値観が崩れてくるのです。非常に面白いです。文章だけで僕の(読者の)価値観を変えてくるんです。物語の力はすごいと思いました。そして、善か悪かはっきりしないまでも、きちんとその会話に決着をつけるところがこれまたすごいと思いました。ここの会話のシーンは、本当に引き込まれます。
ラストはなかなか心地よい終わり方だなと思ったのですが、なんと2010年4月に「BOOK 3
」が出るそうです。すっごい楽しみですね。
村上春樹さんの2009年に大ヒットした本「1Q84 BOOK 1」をこの年末に読みました。
あいかわらず、すごい「吸引力」がある文章です。「吸引力」というのは、「ついつい文章に引き込まれて読んでしまう力」のことです。村上春樹さんは、この「吸引力」が多くの小説家の中でずば抜けていると思います。とにかく、一度読み始めると止まらなくなっちゃいますね。
村上春樹の長編小説というと、僕は「ノルウェーの森」、「海辺のカフカ」、「ねじまき鳥クロニクル」を読んだことがあります。「ノルウェーの森」は村上春樹の小説には珍しく、非現実的な部分がなく、真正面からの恋愛小説です。「カフカ」、「ねじまき鳥」は村上春樹らしいと言えますが、やはりそれぞれに個性があります。個人的には「ねじまき鳥」が好きなのですが、あの小説はラストがもう一つググッと来ませんでした。
今回の「1Q84 BOOK1」ですが、天吾という30歳前後の青年と、青豆というこれまた30歳前後の女性が主要な登場人物です。そして、この二人の物語が交互に描かれるという手法をとっています。終盤に、二つの物語が収束していくわけですが(BOOK2の話)、非常にうまくまとまっていると思います。村上春樹、うまいなぁと思いました。
文章自体はとても平易にできており、誰でも読めると思います。ただし、村上春樹の特長というか、超現実的(ハイパーリアル)なストーリーには好き嫌いが出ますね。実際、うちの母は「村上春樹の本はさっぱりわからんわ。」と言ってあまり読んでません。ちなみにうちの母が好きな作家は、宮尾登美子とか及南アサです。
僕は今回の「1Q84」は、大好きです。登場人物がそれぞれ悩みを抱えているのですが、ストーリー自体はそれほど重くありません。宗教団体なんかも出てくるのですが、やはりソフトに描かれていて、夢のように感じるところもあります。ただ、夢のように感じても、主人公たちの生活がすごくきめ細かく書かれているので、そこのバランスが絶妙なんですよね。引きつけられるポイントだと思います。
読売新聞でのインタビューで村上春樹がこう言っています。
【『1Q84』への30年】村上春樹氏インタビュー(上) : 出版トピック : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
日本人は1995年にたてつづけに起きた阪神大震災とオウム事件で、「自分はなぜ、ここにいるんだろう?」という現実からの乖離(かいり)感を、世界よりひとあし早く体験した気もする。僕の小説は、『ノルウェイの森』を除いて、いわゆるリアリズムの小説ではないが、それゆえ新しいリアリズムとして、世界中で受け入れられ始めているのを感じる。9・11以降はとくに。
(中略)
作家の役割とは、原理主義やある種の神話性に対抗する物語を立ち上げていくことだと考えている。「物語」は残る。それがよい物語であり、しかるべき心の中に落ち着けば。例えば「壁と卵」の話をいくら感動的と言われても、そういう生(なま)のメッセージはいずれ消費され力は低下するだろう。しかし物語というのは丸ごと人の心に入る。即効性はないが時間に耐え、時と共に育つ可能性さえある。インターネットで「意見」があふれ返っている時代だからこそ、「物語」は余計に力を持たなくてはならない。
あまりメディアに出てこなかった村上春樹が、阪神大震災とオウム事件で少しずつ社会と接点を持つようになった話はよく聞きます。今回の「1Q84」には、そういうエッセンス(学生闘争や新興宗教)がたくさん入っており、村上春樹なりの解釈が入っているように思えます。後の感想は、「BOOK2」に回します。
いつも面白くてためになるブログを書いておられる、神戸女学院大学教授・内田樹先生の「日本辺境論」を読みました。
内田先生は、ブログの方はしょっちゅう読んでいるのですが、本となると「こんな日本でよかったね―構造主義的日本論 (文春文庫)」に続く2冊目となります。まあ、ブログに比べるとやっぱり編集がきちんとされているなぁと感じるくらいで、書いている人は同じなので、本でもブログでもどっちでも面白いですね。
それで、この「辺境論」なのですが、ざっくり言うと、日本人の特性について書かれています。中国という中心となる国家があって、そこから見ると日本は「辺境」であると。だから「どこかに自分よりも上の存在があって、そこを追っかけていれば安心する民族である。」というようなことが書かれてあります。そういう民族は世界を見渡しても非常に“まれ”だとも。そしてそういう特性は長所でもあり、短所でもあると書いてあります。
内田先生は、本の初めの方で、「このような日本文化論は、むかーしから論じられてきました。でも一回論じただけでオッケーかというと、こういう話は何度も何度も行った方がよい。」と書かれています。このような作業は「雪かき」や「どぶさらい」なんかと同じであると。やってもやってもいつの間にかみんな忘れてしまい、何度も訴えなければいけない分野であると書かれています。僕も「そうだなぁ。」と思います。様々な識者が日本という国を、様々な角度で論じ、それを一般市民に伝えるというのは、非常に大事だと思います。論調がかぶっても、やはり何度もそういう意識を「掘り起こす」ことはとても大事に思えます。
この本で面白いのは、内田先生はほとんどエビデンスを挙げず、自分の経験則で話が進んでいるところです。それは先生自身も自覚しておられ、あえて、そういう手法をとったと書かれています。ある意味、内田先生の与太話になっている本なのですが、僕は内田先生くらいの識者になると与太話でも非常に面白いと感じます。一般読者に向けた本なのですから、あまりエビデンスにこだわって難しいものにするよりも、わかりやすい方が読みやすくて刺激的です。実際この本、とても脳が刺激されます。「へー、そんな考え方があるのか。」的な。
一番、面白かったのは、中盤にある「日本人の学びについて」のところでしょうか。日本人という民族がどのようにして師匠を見つけ、知識を習得していくのかと言うことがおもしろおかしく書かれています。なるほどなぁと思いました。文体は相変わらずレベル高いです。大学受験の評論文で採用されるくらいの文章ですから、確かに一般的な文芸書よりは難しいです。でもそこを考慮してもすごくお薦めできる本です。
「Tsudaる」で有名な津田大介さんの本、「Twitter社会論」を読みました。
これで、Twitter関連の本は3冊目。「140文字が世界を変える」、「Twitter革命」と読んできました。けっこうTwitter通になった気分です(笑)。で、この「社会論」ですが、タイトルの示すとおり、3冊の中でもっともTwitterと社会の繋がりについて書かれてあった本でした。
他の2冊がTwitterの概念(基本的なこと)から書かれてあるのに対し、この「社会論」はTwitterの説明書きなことは割と省いています。そういう意味で言えば、Twitterを良く知っている人からすると、3冊の中で最も読み応えがあると思います。というか、新聞とか政治が好きな人には最も読み応えがあるといった方がいいかもしれません。僕は、この本の特徴はそういう社会的なことに多くの紙面がとられているところが良かったです。
特にイランでのTwitterの広まり方と政治との関わりのあたりは、読んでいて非常にインパクトが有りました。もともとイランでTwitterが大きな働きをしたというのは知っている事柄ではあったのですが、津田さんの深い洞察力がすごくて、そんなにTwitterの情報力というのは大きかったのかと印象に残りました。また、マスメディアとの比較や、企業はどのようにこのTwitterを使っていけばいいのかという事が書かれてあり、結論がなかなか出ないまでも、津田さんの見解が書かれてあって、よかったです。
あの、実は3冊の中でこの「社会論」が一番消極的に購入したんですが(いや、タイトルがね、難しそうだったんで^^;)、読んでみて一番面白かったです。まあ、僕がもともとTwitterを使っているというところも大きいのかもしれません。どれもTwitterを知るにはおすすめの3冊です。おすすめ順としては、
初心者:「140文字」→「革命」→「社会論」
慣れている人:「社会論」→「140文字」→「革命」
こんな感じでしょうか。
神田敏晶さんの本、「Twitter革命」読みました。
Twitter関連の本だと、コグレさん、いしたにさんの「ツイッター 140文字が世界を変える」に続き、2冊目です。どちらも新書なんで、土日にさくっと読めるのが良いですね。
どうしてそんなにTwitterの本ばかり読んでいるんだって話なのですが、やはり自分がTwitterの面白さにだんだん目覚めてきて、Twitterを使いこなしている人たちってどんな風にTwitterに接していて、どんな考えでTwitterと向き合っているんだろうというのを純粋に知りたくなったからです。実は、津田さんの「Twitter社会論」もすでに購入済みなので、結構はまってますよね(笑)。
2冊読んで感じたのは、「Twitterは実際にやってみないとその面白さがわからない。文字で伝えるにはなかなか難しいことだ。」ということです。「140文字が世界を変える」にしても神田さんの「Twitter革命」にしても、様々なTwitter使用例、クライアント、歴史が書かれているのです。しかし、やはりあの「タイムラインがうねっている感じ」を伝えるのは本当に実際やってみないとわからないんじゃないかなと思いました。
かといって、「Twitter革命」がTwitterについてうまく伝え切れていないかというと、そんなことはありません。神田さんが知っているいろいろなTwitter関連サービスが紹介されていますし、何より僕がこの本を良いなぁと思ったのは、神田さんの経験に基づいてTwitterのメディア的な側面が書かれているところです。自分のタイムラインは世界に一つしかないわけですし、自分のほしい情報がTwitterでどんどんやってくる、と。決して新聞やテレビなどの既存のメディアを否定していないところも良いなと思いました。
Twitterに興味がある人は読んでみると良いと思います。
やっと、やっと「カラマーゾフの兄弟」(新潮社版)を読み終わりました。
この本、上巻から数えると5月ごろから読み始めたんですけど、文章が難解でなかなか読み進まなかったんです(苦笑)。まあ、感想としては「ざっくり話の内容がわかってよかった。」くらいでしょうか(笑)。Amazonの書評とか見ていると「小説の中の小説だ!」とか「小説の最高峰だ!」とか書いてあるんですけど、そこまで読み込めなかった気がします。
いや、確かに宗教とか思想の面で、何かとても根幹的な背景があってそれをうまくストーリーにしているなというのは感じられるんです。ただ、キリスト教、聖書に精通していないと、そこからの引用が多くあるので全部を消化できるかというと難しいと思います。「へー。」くらいにしか思えなかったです。ただ、この本をきっかけに聖書を一度読んでみようかなとは思いました。思想家の吉本隆明さんも聖書についてしばしば講演なさってますもんね。やはり世界文学にキリスト教は切っても切り離せないものなのかなと思います。
そういえば吉本隆明さんが、前にNHKで「カラマーゾフの兄弟は、思想的にもストーリー的にも楽しめる貴重な作品です。」とおっしゃっていました。確かに下巻の裁判所でのシーンは、ページをめくるスピードが上がりましたね。面白かったです。思想的には、やはり上巻の最後にある「大審問官」がキーなのかなと思います。外大でロシア語を専攻していた友人もやはり講義で大審問官をやったとのことです。全体的に一回読んだだけではまだまだ消化し切れないところがあるので、間をおいてまた読んでみようかと思います。今度は最近売れていると話題の亀山さんバージョンを読んでみたいと思います。
ただ、これを読むのはちょっと間をおいてからです。村上春樹の「1Q84」もまだ読んでないんですよね。
脳(特に海馬)研究者、池谷裕二さんと、糸井重里さんの対談をまとめた本「海馬」を読みました。
これ、3ヶ月前くらいに購入してずっと「積ん読」状態だったんですよね。で、引っ越しも一段落したと言うことで、なんか読みやすい本ないかなと思って手にしたのがこの「海馬」でした。すっごい面白い本でしたよ。
「海馬」って言うのは、生物の記憶に関する処理を行っている部位で、脳の奥の方にあるものなんです。ネズミとか猿とかにもあって、生物が生きていく上で大切な機能を司っている部位なんですね。で、作者の池谷さんというのは東京大学薬学部大学院でこの「海馬」を研究している人で、とても脳に関して詳しい人なんです。で、糸井さんは脳に関しては素人なんですが、やはりこの人の対談技術というか、人からものを聞き出す能力というものはずば抜けているなぁと感じます。
僕がこの本で印象に残ったのは、
1.30歳過ぎてから「つながり」を構築する力は飛躍的に向上する
2.ストッパーを外すと可能性が広がる
3.「かわいい子に旅をさせよ」の思想
4.宮崎駿と手塚治虫の尋常でない働きぶり
5.人間は一度に七つのことしか覚えられない
というところでしょうか。目次を見ていると全部書き出したくなってくるくらいです。とにかく、「いやぁ、最近年取って、物覚えが悪くなっちゃってさー。」という人に読んでもらいたい本ですね。目から鱗の内容が盛りだくさんです。
コグレさん、いしたにさん共著、「ツイッター 140文字が世界を変える」という本を読みました。
この本、非常に読みやすかったです。正味2~3時間くらいで読めたと思います。まあ、新書は基本的にどの本も読みやすいですよね。で、この本ですが、今話題のツイッターについて書かれています。ツイッターに関しては自分でもやっていますし、コグレさんのブログをしょっちゅう読んでいるのでそれなりに知識はあります。が、この本には僕の知らないこともちょこちょこ載っていました。例えば、ツイッターってなぜ140文字なのかとか、「フォロー」と「フレンド」の違いとか、いざ人に聞かれると答えにくいことが明快に書かれています。
もちろん、ツイッターをどのように楽しみかにも書かれていますし、ツイッターやり始めた人から使いこなしている人まで、一回は読んでおくと良い本だと思います。付録として、おすすめボットとかおすすめクライアントソフトが載っているのも良いですね。