【book】1Q84 BOOK 2
「BOOK1」のレビューに引き続き、「BOOK2」も読み終わりましたので、感想を書きます。
僕はこの「1Q84」で何が良かったって、青豆さんという主人公の一人と宗教団体「さきがけ」のリーダーが会話するところなんですね。ここはもう集中力マックスでした(笑)。周りの音も聞こえないくらいに文章に引き込まれてましたよ。
村上春樹のいいところとして、勧善懲悪がはっきりしていないところがあります。インタビューでも、原理主義のようなはっきりしたことよりも、しっかり自分で考えることが大事じゃないかと受け取れる発言をされています。
【『1Q84』への30年】村上春樹氏インタビュー(上) : 出版トピック : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
原理主義の問題にもかかわる。世界中がカオス化する中で、シンプルな原理主義は確実に力を増している。こんな複雑な状況にあって、自分の頭で物を考えるのはエネルギーが要るから、たいていの人は出来合いの即席言語を借りて自分で考えた気になり、単純化されたぶん、どうしても原理主義に結びつきやすくなる。スナック菓子同様、すぐエネルギーになるが体に良いとはいえない。自力で精神性を高める作業が難しい時代だ。
青豆さんとリーダーが話し始める前は、実はそれなりにどちらが善でどちらが悪かというのは、読んでいれば伝わってきます。しかし、ここの会話を通して、その価値観が崩れてくるのです。非常に面白いです。文章だけで僕の(読者の)価値観を変えてくるんです。物語の力はすごいと思いました。そして、善か悪かはっきりしないまでも、きちんとその会話に決着をつけるところがこれまたすごいと思いました。ここの会話のシーンは、本当に引き込まれます。
ラストはなかなか心地よい終わり方だなと思ったのですが、なんと2010年4月に「BOOK 3」が出るそうです。すっごい楽しみですね。