
リチャード・ジェンキンス主演の映画「扉をたたく人」を見に行ってきました。なんか、「リチャード・ジェンキンス主演の」とか書くと以前からこの人のことを知ってそうな書き方ですが、僕は知りませんでした。でも結構たくさんの作品に出てるんですよね。僕が見た中で出た作品は、「チャンジング・レーン」でした。お、覚えてない・・・。
この作品で、ジェンキンスさんはアカデミー主演男優賞にノミネートされています。ちなみに受賞したのは、「ミルク」のショーン・ペン。「ミルク」、観てないな。その、気になるジェンキンスさんの演技ですが、かなりいいですよ。役柄は、大学教授(ウォルター)で、シリアから来た青年(タレク)と心を通わせる役です。タレクと会うまでは、ほとんど誰とも心を通わせることができない老人でしたが、タレクに出会うことによって少しずつ社会に溶け込んでいきます。映画の前半部分は、ちょっと冷たい感じの大学教授でしたし、ラストシーン近くのとある演技ではかなり感情が入った演技を使い分けていました。やるよなぁ、ジェンキンス。
僕がこの映画を見てよかったなぁと思えたのは、アメリカにおける移民の問題と、一人寂しい老教授がどのように心を開いていくかを描いてたところ、そしてジャンベによる音楽です。映画っていうのは、エンターテイメントを追及するタイプと、「今、社会ではこんなことが起きているんだよ。」とドキュメント的に教えてくれる社会派のタイプに分けられると思います(あくまでざっくりと分けて、ですよ)。この「扉をたたく人」は、後者のタイプ。9・11以降のアメリカにおいて、移民がどのような扱いを受けているかをじっくりと僕たちに見せてくれます。おそらく監督は、「移民に対するアメリカ政府のひどい仕打ちを見てくれよ!」と言いたかったのではないかと思います。
ただ、それだけだと暗い映画になるのですが、この映画のいいところは、「ジャンベ」という太鼓のような楽器を使ってリズムを出しているところ。これはとても心地よいアクセントになっていました。僕もジャンベをやってみたくなりましたよ。そしてこのジャンベが教授とシリアの青年の心を通わせる道具にもなっているんですよね。いいよなぁ、楽器って。決して派手な映画じゃありませんが、心に残るいい作品だと思いますよ。あ、そうだ。ちょっと前に上映した「グラン・トリノ」と見比べてみるのも面白いと思います。どちらも世間とは溶け込めない老人男性のお話です。

ミュージカル!
この3連休を利用して、劇団四季のミュージカル「55 steps」を観劇してきました。今年は劇団四季が誕生して、55周年だそうで、この「55 steps」は、今までの作品を振り返りながら、オリジナルのダンスを織り交ぜていくといった作りでした。僕は、今回初めて劇団四季のミュージカルを見たのですが、やっぱり華やかですね!席は1階の一番後ろだったのですが、できれば前のほうで見たかったなぁ。
高給ながらも実力社会
ちなみに芸能に詳しい友達に聞いたのですが、劇団四季の団員はほかの劇団に比べて高給だそうです。しかし、完全に実力社会なので、ある日突然ロッカーから荷物が放り出され、「もう来なくてもいいですよ。」と言い渡される時も・・・。どこまで本当か知りませんが、なんとなく「ある日突然解雇を言い渡されるメジャーリーガー」の話に似ていますね。
客層はマダム
で、そんな実力社会だからか、ステージで踊る団員の皆さんは、真剣そのものでした。真剣さの中にも笑顔や、軽やかなステップがあるから魅了されるのでしょうね・・・。うーん、すごいなぁ。歌も激しく上手でした。そして、驚いたことにこの劇団四季のステージって毎日あるにもかかわらず、ほぼ満席状態でした。客層はやっぱりマダム層が多いですね。なんだか優雅ですよねぇ。
カーテンコールが面白いよ
後、最後のカーテンコールが面白かったですね。何回出てくんねん!的な(笑)。そのカーテンコールの時に役者さんとハイタッチもできたし、ダンスや歌だけじゃなくて劇団四季の人たちはサービス満点の人たちでした。題目が変わったらまた行きたいですな。
木村大作監督作品、「劔岳 点の記」を見に行ってきましたよ。ちょっと今回はランキングをつけるというような気分ではないというか、この映画はエンターテイメント性はもちろんあるのですが、ドキュメンタリー性もあるので、あえてランキングはつけずにレビューしたいと思います。
ひたすら山登りを撮影した映画
もちろん、山以外のシーンもあるのですが、基本的に山登りの苦楽を撮影した映画です。主人公は浅野忠信演じる柴崎芳太郎で、実在する陸軍測量部の技師です。軍からの命令で、前人未踏と言われる富山県の劔岳に登ることになります。
山の案内人には、香川照之演じる宇治長次郎。この人もやはり実在の人物です。山登りは基本的にこの2人が中心となり、測量部を山の頂上へと導きます。見ていて思ったのですが、多少のエンターテイメント性は感じましたが、やはりそれよりも山登りの厳しさ、そしてその合間に少しだけ味わえる山登りの楽しさを淡々と撮影した映画と言えます。
木村大作監督
そんな素朴な映画の監督は、黒澤明作品でカメラマンを勤めてきた木村大作さんです。もう70歳になろうかという年齢にもかかわらず、今回のような厳しい撮影に取り組まれました。Wikipediaにも載ってますが、ピント合わせが抜群にうまいカメラマンで、黒澤明監督からも一目置かれているような人だそうです。確かにこの映画、雪山というカメラマンにとってはなかなかハードな状況であるにもかかわらず、俳優さんの表情がかなりきちんと写っているんですよね。そういう点ではとても見やすく完成度の高い映画だと思います。
ちょっと古さを感じさせる映画
いいところでもあり、ある意味、悪いところでもあると思うのですが、この映画、ちょっと古さを感じさせるものがあります。最近の映画は、何かと観客を裏切ったり、脚本の妙を前面に出したり、すごい映像を作ったりして、何かと他との差別化を図っています。この「劔岳」は、そういう(誤解を恐れずに言えば)小手先の技術にこだわらず、ただただ山登りを撮影しています。直球勝負ですね。僕はこういう映画、好感が持てていいと思います。逆にこういう映画、あんまり見ないですよね、最近。
日本山岳会とのやりとりなど
主人公の柴崎は陸軍の命令により劔岳の頂上を目指しますが、もう一つの民間団体、「日本山岳会」も登場します。この団体は測量などは関係なく、比較的趣味のレベルで日本の山々を制覇しているグループです。この日本山岳会と陸軍測量部のどちらが早く劔岳の頂上にたどり着けるか、ということもストーリーの一部に組み込まれています。僕はこの辺の話も好きですね。仲村トオルも好演しています。
あと、ネタバレになるので詳しくは書きませんが、ラスト、頂上でのちょっとしたエピソードもなるほどと思いました。これが現実かと。まあ、そういうことも含めて、渋い映画が好きな人にお勧めですね。逆にエンターテイメント性を求める人にはあまりお勧めできないかも。