【book】吉本隆明の声と言葉。
吉本隆明さんの「声と言葉。」を読みました(というか聴きました)。
東京糸井重里事務所
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難しくないってことをまず
巨人の力を肌で実感
じっくり聴いて、そして、笑えます
糸井さんが門前でうろうろしてくれててよかった
これが本当の入門篇か
吉本さんは、「戦後思想の巨人」と言われている思想家です。経歴についての詳細は、吉本隆明 – Wikipediaにて。吉本さんの経歴の中で不思議だなぁと思うのは、東京工業大学工学部電気学科を卒業して、やっているのは文学の探究、思想、創作をしているところです。理系出身で、文学を愛している人はたくさんいると思うのですが、吉本さんの場合はその程度が突き抜けているというか、完全に文学者ですよね。僕も理系なので、ここは面白いなぁと思いました。
それで、この本なんですが、読むというよりは、付属の CD がメインになっていて、本がどちらかというと付属品という存在になっています。編集した糸井さんもその辺は、「 CD のための小さな冊子をつけようとしていたのに、思わず力んでしまった結果です。」と初めに書いています。
で、1~29までトラックがあって、挨拶の数秒でおわるものから、5分くらいの比較的長い話も入っています。吉本さんの数ある講演の中から、糸井さんが「これは」と思ったものをコラージュのように貼り合わせて作った「講演ダイジェスト」のようになっています。しかし、本のタイトルを「ダイジェスト」とつけなかったのは、吉本さんの話し方や間の取り方など人柄が伝わってくる部分まで、丸ごと付き合ってほしい、という糸井さんの意向があるようです。
音声はずいぶん古いものもあるようですが、ノイズ除去をかなりのレベルで施してあるようで、どれも聞き取れないということはないと思います。ただ、急に音声の質が変わるので初めて聴いた人には、ちょっと驚く部分かもしれません。
初めは、夏目漱石などの文学の話から始まり、思想、宗教、歴史、科学、社会、と展開していきます。僕が夏休みに勉強したいなぁと思っていたマルクスの話も少し入っており、吉本さんの考えを聴くことができます。
僕が一番面白いと感じた部分は、トラック27の「親鸞の声について」という話です。ここでは、人間の善悪について語られていますが、僕がなんとなく日ごろ感じていることを、具体的な話でズバッと語られており、とても印象に残りました。親鸞という人物に興味がわきました。
僕は吉本隆明さんは、糸井重里さんを通じて知りましたが、かなり面白い人だと思います。ここで言う面白いというのは、笑えるというのではなく、吉本さんがいろんな引出しを持っていて、「世の中にはこんなことやあんなことが、いっぱいあるんだよ。」ということを教えてくれているような気がします。なんて言うんでしょうか、すごく好奇心をくすぐられます。
この CD は、あくまでコラージュ的にまとめたものなので、がっつり深い話が入っているというものではありませんが、吉本さんがどんな人なのかを知るには、とてもよいと思います。iPod に入れてよく聴いています。あと、実はこの本、巻末にある「おまけ」があります。これがなかなかのもの。「やるなぁ、ほぼ日。」と思いました。
